マイホームを売ると税金が安くなる?特定居住用財産の軽減税率の特例をやさしく解説|
「マイホームを売るときに税金がどれくらいかかるのか心配…」「長く住んだ自宅を売ったら、できるだけ税金を減らしたい」 そんなご相談を、小山市や下野市・栃木市・茨城県結城市などにお住まいのお客さまからよくいただきます。
実は、10年以上住んだマイホームを売却する場合には、税率がぐっと下がる「特定居住用財産の軽減税率の特例」という制度があります。
この記事では、センチュリー21イーハルが、 「そもそも譲渡所得税とは?」「軽減税率の特例とは?」「3,000万円特別控除との関係は?」といったポイントを、はじめて不動産を売る方にも分かりやすく解説していきます。
マイホーム売却と譲渡所得税の基本
不動産を売却するときにかかる税金をまとめて「譲渡所得税」と呼びます。 ここでいう「所得」とは、売却して手元に残った利益(もうけ)のことです。
譲渡所得は、次のような計算式で求めます。
◆ 譲渡所得の基本的な計算式
譲渡所得 = 売却価格 −(取得費 + 譲渡費用)
- 取得費:購入価格や購入時の諸費用(登記費用など)
- 譲渡費用:仲介手数料や測量費用、広告費など
そして、この譲渡所得に対して税率をかけて、実際の税額を計算します。 税率は、その不動産をどのくらいの期間持っていたかによって大きく変わります。
| 区分 | 所有期間 | 税率(所得税+住民税+復興特別所得税) |
|---|---|---|
| 短期譲渡所得 | 5年以下 | 39.63%(所得税30%+住民税9%+復興特別税) |
| 長期譲渡所得 | 5年超 | 20.315%(所得税15%+住民税5%+復興特別税) |
マイホームを長く持っていた方の多くは長期譲渡所得(20.315%)が適用されますが、 実はさらに有利な「軽減税率の特例」が用意されています。
特定居住用財産の軽減税率の特例とは?
特定居住用財産の軽減税率の特例とは、 10年以上所有していたマイホームを売却した場合に、通常の税率よりも低い税率で譲渡所得税を計算できる制度です。
長期譲渡所得の税率(20.315%)に比べると、次のように優遇されます。
| 区分 | 課税される譲渡所得 | 税率 |
|---|---|---|
| 軽減税率の特例 | 6,000万円以下の部分 | 14.21%(所得税10%+住民税4%+復興特別税) |
| 軽減税率の特例 | 6,000万円を超える部分 | 20.315%(所得税15%+住民税5%+復興特別税) |
とくに、売却益が数千万円単位になるケースでは、通常の長期譲渡所得と比べて100万円以上の差になることもめずらしくありません。
ポイント
- 所有期間が10年以上のマイホームが対象
- 6,000万円以下の部分に軽減税率(14.21%)を適用
- 6,000万円を超える部分は通常の長期譲渡所得と同じ税率
軽減税率の特例を受けられる主な条件
この特例は、「マイホームを売れば誰でも使える」という制度ではありません。 適用されるためには、いくつかの条件を満たす必要があります。
| 条件 | 内容のイメージ |
|---|---|
| 居住用財産であること | 自分やご家族が実際に住んでいたマイホームであること |
| 所有期間10年以上 | 譲渡した年の1月1日時点で所有期間が10年を超えていること |
| 住まなくなってから3年以内に売る | 転居して空き家になってから「3年後の12月31日まで」に売却すること |
| 売却金額が1億円以下 | マイホームとしての売買価格が1億円を超えないこと |
| 特別な関係者への売却ではない | 親子・夫婦、同族会社などへの売却は対象外となることが多い |
また、3,000万円特別控除との併用が可能という点も重要なポイントです。 条件を満たす場合、まず3,000万円特別控除で譲渡所得を圧縮し、その残りに軽減税率を適用する形になります。
具体的な計算例で「どれくらいお得か」確認してみよう
では、実際の数字を使って、どのくらい税金が変わるのか見てみましょう。
◆ 前提条件(例)
- 売却価格:5,000万円
- 取得費(購入価格など):3,000万円
- 譲渡費用(仲介手数料など):200万円
- 所有期間:15年(10年以上)
この場合の譲渡所得は次のように計算します。
譲渡所得 = 5,000万円 −(3,000万円 + 200万円)= 1,800万円
通常の長期譲渡所得の税率で計算した場合
長期譲渡所得の税率 20.315% を使うと、
1,800万円 × 0.20315 = 約365万円
👉 このケースでは、約365万円の税金がかかるイメージです。
軽減税率の特例を使った場合
この例では譲渡所得が1,800万円ですので、6,000万円以下の部分だけが対象となり、 軽減税率 14.21% を使って計算します。
1,800万円 × 0.1421 = 約255万円
👉 税額は約255万円となり、通常の長期譲渡所得と比べて約110万円の節税になります。
3,000万円特別控除も併用できる場合
さらに、このマイホームの売却について3,000万円特別控除も使えるとすると、 譲渡所得は次のようになります。
1,800万円 − 3,000万円 = 0円
👉 課税される譲渡所得が0円になるため、譲渡所得税はかからないという結果になります。
ここがポイント
- 軽減税率だけでも100万円以上の節税になることがある
- 3,000万円特別控除とあわせて使うと「税金ゼロ」になるケースも
- ただし、条件や併用可否は個々の状況によって必ず確認が必要
よくある質問(FAQ)と注意点
Q1. 軽減税率の特例は自動的に適用されますか?
いいえ、自動的には適用されません。
軽減税率の特例や3,000万円特別控除を使うためには、確定申告が必要です。
申告の際には、次のような書類を準備します。
- 不動産の売買契約書
- 登記事項証明書(登記簿謄本)
- 住民票(マイホームであることを確認するため)
- 仲介手数料などの領収書
Q2. 相続した家を売った場合でも使えますか?
相続してご自身が実際に住んでいた場合など、一定の条件を満たせば対象になることがありますが、 単に「親の家を相続して、そのまま空き家の状態で売却した」だけでは適用されないケースもあります。
相続が絡むと、空き家の3,000万円特別控除など、別の特例との関係も出てきますので、 詳しい状況をふまえて確認することが大切です。
Q3. 他の特例との併用はどうなりますか?
軽減税率の特例は、3,000万円特別控除との併用が可能です。 一方で、「買換え特例」や「交換特例」などとは、原則として併用できない組み合わせもあります。
どの特例を優先して使うのが有利かは、売却金額・取得費・今後の予定などによって変わります。 事前に試算したうえで判断することが大切です。
Q4. 土地だけの売却でも軽減税率は使えますか?
もともとマイホームとして使っていた建物とセットの土地であれば、 敷地部分にも軽減税率の特例が適用されるのが一般的です。
ただし、一部だけ切り売りした場合や、貸地として使っていた期間が長い場合などは、判断が複雑になることがあります。
トラブルを防ぐために大事なこと
- 売却前に「どの特例が使えるのか」を事前に確認する
- 税額のシミュレーションをしてから売却時期や価格を検討する
- 分からない点は抱え込まず、早めに専門家へ相談する
こんな方は早めにご相談ください
- 10年以上住んだマイホームの売却を検討している
- 売却価格が高くなりそうで「税金がどれくらいかかるか不安」
- 相続した実家を売る予定があり、使える特例を知りたい
- 軽減税率・3,000万円控除・買換え特例の違いがよく分からない
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