「登記簿謄本」「登記簿抄本」「登記事項証明書」の違いとは?
不動産を売買したり、相続したりするときによく聞くのが「登記簿謄本(とうほん)」「登記簿抄本(しょうほん)」「登記事項証明書」という言葉。
でも、どれも似たような響きで「結局なにが違うの?」と思う方も多いですよね。
実は、これらはすべて土地や建物の「登記情報」を証明する書類のことですが、時代の変化とともに呼び方や内容が変わってきました。
この記事では、初心者の方でもイメージしやすいように、図や例を交えながらやさしく説明します。
1️⃣ 「登記簿」とはそもそも何?
まず、基本となる「登記簿(とうきぼ)」とは、土地や建物の情報を法務局が管理している帳簿のことです。
ここには以下のような情報が記載されています👇
| 表題部 | 不動産の所在地・地番・地目・地積(面積)などの基本情報 不動産のプロフィールみたいなもの |
|---|---|
| 権利部(甲区) | 所有者の氏名・住所・持分・所有権の変動履歴 |
| 権利部(乙区) | 抵当権・地上権・賃借権などの権利関係(担保など) |
つまり、「登記簿を見る=その土地や建物の履歴や所有関係がわかる」ということです。
2️⃣ 「登記簿謄本」「登記簿抄本」ってなに?
昔は登記簿が紙の帳簿として法務局に保管されていました。
その内容を写したものが「登記簿謄本」と「登記簿抄本」です。
💡 登記簿謄本とは?
登記簿謄本とは、登記簿のすべての内容をそのまま写したものです。
いわば「コピーの完全版」であり、表題部から権利部(甲区・乙区)まで、すべての情報が載っています。
たとえば、家を売るときや住宅ローンを組むときには、「この土地や建物の所有者は誰か」「抵当権があるか」などを確認するために、謄本が使われていました。
💡 登記簿抄本とは?
一方、登記簿抄本は、登記簿の一部だけを抜粋したもの。
たとえば「所有者の部分だけ見たい」といったときに発行されていました。
つまり、
謄本 → 全部
抄本 → 一部
という違いになります。
3️⃣ 現在は「登記事項証明書」に一本化!
登記簿が電子化された2004年(平成16年)以降、紙の登記簿は廃止され、代わりに「登記事項証明書」という形式に変わりました。
現在、法務局で「登記簿謄本ください」と言っても、実際には「登記事項証明書」が発行されます。
つまり、現代の「登記簿謄本」=「登記事項証明書」と同じ意味と考えてOKです。
4️⃣ 「登記事項証明書」の種類と内容
登記事項証明書といっても、実はいくつかの種類があります。
それぞれ記載されている内容や使う目的が少しずつ違うため、用途に応じて選ぶことが大切です。
👉登記簿「全部事項証明書」(ぜんぶじこうしょうめいしょ)
不動産登記簿のすべての内容が記載された証明書です。
昔の呼び方でいうと「登記簿謄本」にあたります。
表題部(所在地・面積など)から、所有者・抵当権などの権利関係まで、すべてが確認できます。
❗ 不動産売買・住宅ローン・相続など、ほとんどの場面でこの「全部事項証明書」が使われます。
👉登記簿「一部事項証明書」(いちぶじこうしょうめいしょ)
登記簿の中から、一部の項目だけを抜き出した証明書です。
昔の呼び方では「登記簿抄本」にあたります。
例えば「所有者の部分だけ確認したい」「抵当権の記録だけ必要」といった場合に利用します。
❗ 一部だけ確認できるため、全体の履歴や他の権利関係は載っていません。
👉「現在事項証明書」(げんざいじこうしょうめいしょ)
登記簿のうち、現在有効な内容だけを抜粋した証明書です。
過去に抹消された登記や古い履歴は省かれ、いま有効な情報のみ記載されています。
❗最新の所有者や権利関係をサッと確認したいときに便利です。
ただし、過去の経緯を知りたい場合には「全部事項証明書」を取得する必要があります。
👉「閉鎖事項証明書」(へいさじこうしょうめいしょ)
これは少し特殊なもので、すでに登記簿が閉鎖(=現在は存在しない)となった不動産の証明書です。
たとえば、土地の合筆(ごうひつ)や建物の滅失([めっしつ]取り壊し)などで登記が閉じられた場合に発行されます。
❗ 過去の土地の履歴を調べたい場合や、権利のつながりを確認したいときに利用されます。
もし、建物が滅失(=なくなった)した場合は、1か月以内に法務局へ「建物滅失登記(たてものめっしつとうき)」を申請する義務があります。
📎建物滅失登記とは
建物が取り壊されたり、火災・災害などで消滅したときに、
「この建物はもう存在しません」と法務局の登記簿から削除するための手続きです。
📅 申請期限
建物を滅失した日から1か月以内
(登記義務者=建物の所有者が申請します)
📄 申請に必要な主な書類
◦建物滅失登記申請書
◦取壊証明書や滅失証明書(解体業者が発行)
◦登記識別情報または登記済証(権利証)
◦印鑑証明書(必要な場合)
⚠️ 期限を過ぎた場合💦
1か月を過ぎても申請は可能ですが、
「登記懈怠(とうきけたい)」とみなされることがあります。
現実には罰則はありませんが、行政や売買・相続などの手続きで不備を指摘されることがあるため、できるだけ早めに行うのが安心です。
つまり、
✅ 建物を壊したら → 1か月以内に法務局へ滅失登記
✅ 放置すると → 登記上は「存在する建物」として残ったまま
となってしまうので、早めの申請が大切です。
5️⃣ 登記事項証明書の見方(かんたん解説)
実際の登記事項証明書には、大きく次のような項目が並びます👇
- 表題部 … 不動産の基本情報(所在地・地目・地積など)
- 権利部(甲区) … 所有権に関する情報(誰がいつ登記したか)
- 権利部(乙区) … 抵当権などその他の権利関係
たとえば、乙区に「抵当権設定登記」がある場合は、「この土地にはローンなどの担保が設定されている」とわかります。
7️⃣ よくある質問(Q&A)
-
登記簿謄本と登記事項証明書、どっちを取ればいいの?
現在は「登記事項証明書(全部事項)」が正式名称です。 「登記簿謄本ください」と言っても、法務局では同じものを発行してくれます。
-
どんなときに必要になるの?
不動産の売買、相続、住宅ローンの契約時などに求められます。 たとえば買主が「この土地は本当にこの人の所有か?」を確認するために使います。
-
誰でも取得できるの?
はい。登記事項証明書は誰でも請求可能です。 ただし、氏名・住所などの個人情報は含まれているため、 正当な理由のある請求が望ましいとされています。
8️⃣ まとめ|現在は「登記事項証明書」一択!
昔は、登記簿が紙で管理されていたため、その写しとして「登記簿謄本」や「登記簿抄本」という書類が使われていました。
しかし、登記簿が電子化された平成16年(2004年)以降、これらの呼び方は廃止され、すべて「登記事項証明書」に一本化されています。
現在は、不動産の権利関係を確認する書類といえば登記事項証明書一択です。
これを見れば、その土地や建物の「所有者」「面積」「抵当権の有無」などがすべてわかります。
不動産を売買するときや、住宅ローンを組むときなど、登記内容を確認する場面では、必ずこの証明書を取得して確認するようにしましょう。
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