スキームワンルームって何?
「スキームワンルームって何?普通のワンルーム投資と何が違うの?」と疑問に思われる方も多いのではないでしょうか。
最近は営業電話やSNSなどで「節税になります」「ほぼ自己負担なし」といった言葉と一緒に紹介されることも増えています。
この記事では、センチュリー21イーハルが、 スキームワンルームの仕組み・メリット・リスク・見抜き方を、 専門用語をなるべく使わずにやさしく解説します。
地域密着の小さな不動産屋です。不動産の売却無料査定・購入・空き家対策などを行っています。
誠実に寄り添い、良い話だけでなくリスクも正直にお伝えすることを大切にしています。
スキームワンルームとは?まずは結論から
スキームワンルームとは、
「金融・税務・契約の仕組み(スキーム)を使って、ワンルーム投資を有利に見せる手法」
のことを指します。
ポイントは、物件そのものではなく「仕組み」で魅力を作っているという点です。
普通のワンルーム投資との違い
- 通常 → 家賃収入と利回りで判断
- スキーム → 節税・ローン・法人化などを組み合わせて説明
つまり、「儲かる理由」が物件の収益力ではなく仕組み寄りになっているのが特徴です。
よくあるスキームワンルームの具体例
① 節税強調型スキーム
最も多いのが「節税になります」と強調するパターンです。
- 減価償却で赤字を作る
- 給与所得と損益通算
- 税金が戻るように見せる
ただし実態は、
「税金が減る=儲かる」ではない
点に注意が必要です。
補足|「減価償却で赤字」「損益通算」ってどういう意味?
■ 減価償却で赤字を作るとは
ワンルームマンション投資では、「減価償却」という仕組みを使って、 実際にはお金が出ていないのに“経費”として計上できる費用があります。
たとえば建物は年数が経つごとに価値が減っていくため、 その減った分を毎年少しずつ「経費」として計上できます。
これにより、
- 家賃収入:90万円
- 実際の支出:70万円
- 減価償却:20万円(※実際の支出なし)
の場合、
90万円 −(70万円+20万円)= 0円(または赤字)
となり、帳簿上は利益が出ていない(=赤字)状態を作ることができます。
■ 給与所得と損益通算とは
不動産投資で出た赤字は、 会社の給料(給与所得)と合算することができます。
これを「損益通算」といいます。
たとえば、
- 給与所得:500万円
- 不動産の赤字:▲20万円
の場合、
500万円 − 20万円 = 480万円
に対して税金がかかるため、 結果として所得税・住民税が少し安くなる仕組みです。
■ ここが重要なポイント
- 「赤字=損している」とは限らない(減価償却の影響)
- ただし「節税=儲かる」ではない
- 実際の現金収支(キャッシュフロー)は別で考える必要がある
特にワンルーム投資では、 税金は安くなっても、毎月の手元のお金は減っている というケースも多いため注意が必要です。
② フルローン・オーバーローン型
自己資金なし、もしくは諸費用込みで借りるケースです。
- 頭金ゼロ
- 初期費用もローン
- 手元資金が減らないように見える
しかし、 借入額が増える=リスクが大きくなる ことを忘れてはいけません。
補足|オーバーローン型とは?
オーバーローンとは、 物件価格よりも多い金額を借りる融資のことをいいます。
■ 具体例でイメージ
- 物件価格:1,500万円
- 借入額:1,700万円(諸費用込みなど)
このように、物件の価値以上の借金をしている状態になります。
■ なぜオーバーローンになるのか?
- 仲介手数料や登記費用などの「諸費用」もまとめて借りるため
- 物件価格自体が相場より高く設定されているケース
■ よくある営業トーク
- 「自己資金ゼロで始められます」
- 「手元のお金を減らさずに投資できます」
一見メリットに見えますが、注意が必要です。
■ 本当のリスク
- 借入額が多くなり、毎月の返済負担が重くなる
- 売却時にローン残高が上回る可能性が高い
- 結果的に「高値で購入してしまう」ケースがある
特に注意したいのは、 売却価格よりローン残高の方が多くなる状態です。
この場合、売却するために 差額を自己資金で支払う必要が出てきます。
■ センチュリー21イーハルからのひと言
「自己資金ゼロ」という言葉だけで判断するのではなく、 借入額と物件の価値が見合っているかをしっかり確認することが大切です。
③ サブリース(家賃保証)組み込み型
「家賃保証付きなので安心」という説明です。
ただし実際には、
- 保証額は下がる可能性あり
- 契約解除条件あり
- 市場より低い賃料になることが多い
補足|サブリース・保証額・契約解除条件とは?
■ サブリースとは
サブリースとは、 管理会社が物件を一括で借り上げて、オーナーに一定の家賃を支払う仕組みです。
入居者がいてもいなくても、毎月決まった金額が入るため、 「家賃保証」と説明されることが多いです。
■ 具体例
- 実際の家賃:80,000円
- サブリース保証額:70,000円
→ 入居者がいれば80,000円取れる可能性がありますが、 サブリースではあらかじめ低めに設定された保証額になります。
■ 「保証額」はずっと同じではない
よくある誤解ですが、 保証額は将来もずっと同じとは限りません。
■ よくある条件
- 2年ごとに見直し(賃料改定)
- 周辺相場に合わせて減額される
■ 減額の具体例
- 最初:70,000円保証
- 2年後:65,000円に減額
- さらに数年後:60,000円
→ 長期的に収入が下がる可能性がある点に注意が必要です。
■ 契約解除条件とは
サブリース契約には、 解約に関する条件が細かく決められています。
■ よくある制限
- 解約は6ヶ月前通知が必要
- 違約金(家賃◯ヶ月分)が発生
- 解約できるタイミングが限定されている
■ トラブルになりやすい例
「家賃が低いから解約したい」と思っても、
- すぐに解約できない
- 違約金がかかる
- 空室リスクを自分で負うことになる
といったケースがあります。
■ センチュリー21イーハルからのひと言
サブリースは、 「安定」と「自由の制限」のトレードオフです。
・保証額はいくらか
・将来下がる可能性はあるか
・解約条件はどうなっているか
これらを事前に確認せずに契約すると、 「思っていたより収入が少ない」「やめたくてもやめられない」 という状態になる可能性があります。
なぜスキームワンルームが問題になるのか?
① キャッシュフローが見えにくい
税金やローンの話が中心になると、
本来一番大事な「毎月いくら残るか」が分かりにくくなります。
② リスクが後から見えてくる
- 空室
- 家賃下落
- 修繕費増加
これらは説明が軽くされがちです。
③ 売却時に詰むケースがある
購入価格が高いと、
売却価格 < ローン残高
となり、手出しが必要になる可能性があります。
スキームワンルームのメリット(正しく使えば)
① 節税効果
一定の条件では税負担が軽くなることもあります。
② 少額で始めやすい
融資を活用しやすい点はメリットです。
③ 管理の手間が少ない
管理会社に任せればほぼ放置も可能です。
しかし重要|デメリットの方が大きくなりやすい理由
① 毎月赤字になりやすい
特に新築や高値掴みの場合、
毎月数千円〜数万円の持ち出し
になるケースが多いです。
② 節税は永遠に続かない
減価償却は年数制限があります。
→ 終わると税金は元に戻る
補足|減価償却はどれくらいの期間使えるの?
減価償却はずっと使えるわけではなく、建物の種類や築年数によって期間が決まっています。
■ 主な耐用年数(目安)
- 木造:22年
- 鉄骨造:19〜34年(構造による)
- RC(鉄筋コンクリート):47年
新築の場合は、この年数に沿って減価償却を行います。
■ 中古ワンルームでよくあるパターン
中古物件の場合は、 残りの耐用年数 or 簡便法で計算されます。
■ 簡便法(よく使われる計算)
(法定耐用年数 − 経過年数)+ 経過年数 × 20%
例えばRCマンション(耐用年数47年)で築20年の場合
- (47 − 20)+ 20×0.2 = 27+4 = 31年
→ 約31年かけて減価償却することになります。
■ 節税効果が大きく出やすいケース
築古物件では、短期間で償却できるケースもあります。
- 築22年以上の木造 → 約4年
- 築47年以上のRC → 約9年
→ 短期間で大きな減価償却が取れるため、節税効果が強く出る傾向があります。
「築古だと4年・9年で償却できる」と聞くと、 「なぜそんなに短くなるの?」と疑問に思われる方も多いと思います。
■ 考え方はとてもシンプルです
減価償却は、 「建物の残り寿命を使って計算する仕組み」です。
■ 例えば木造の場合(耐用年数22年)
- 新築 → 22年かけてゆっくり償却
- 築22年超 → すでに寿命を超えている扱い
- 木造の場合、築22年以上の物件を購入すると、減価償却期間は約4年になります
→ そのため、税務上は 「もう残り寿命がほとんどない=短期間で一気に経費計上してよい」 と考えられます。
■ だから短くなる
- 築22年以上の木造 → 約4年
- 築47年以上のRC → 約9年
→ 残り寿命が少ないため、短期間でまとめて償却できるという仕組みです。
■ 4年償却になる条件(木造の場合)
- 築22年未満 → まだ寿命あり → 通常の年数で償却
- 築22年以上 → すでに寿命超え → 特別ルール適用
■ その特別ルール
- 耐用年数×20% 木造なら22年×20%=約4年
- 築22年以上なら全部同じ、築22年・築30年・築40年、全部「約4年」
■ RC(鉄筋コンクリート)の場合
- 耐用年数:47年
- 47年×20%=約9年、築47年以上で約9年償却
■ 具体的なイメージ
たとえば建物価格が800万円の場合、
- 新築(22年):毎年 約36万円ずつ経費
- 築古(4年):毎年 約200万円ずつ経費
→ 1年あたりの経費が一気に大きくなるため、 節税効果が強く出やすくなります。
■ ただし注意点
- 短期間で終わる=節税もすぐ終わる
- その後は税金が増える可能性がある
→ 「一時的に税金が安くなるだけ」という点を理解しておくことが大切です。
■ センチュリー21イーハルからのひと言
築古物件は、 「節税が大きい」というメリットがある一方で、 効果が短期間で終わるという特徴があります。
「何年で終わるのか?」まで含めて判断することが、 失敗しないポイントです。
■ 重要|減価償却が終わるとどうなる?
減価償却が終わると、 これまで計上できていた「見えない経費」がなくなります。
■ 具体例
- 減価償却あり:経費が多く → 所得が少ない → 税金が安い
- 減価償却終了後:経費が減る → 所得が増える → 税金が上がる
→ 同じ家賃収入でも、急に税負担が増える可能性があります。
■ センチュリー21イーハルからのひと言
「節税になります」という説明を受けた場合は、 その効果が何年間続くのかを必ず確認することが大切です。
減価償却はあくまで一時的な効果であり、 長期的にはキャッシュフロー(実際のお金の残り)で判断することが重要です。
③ 「出口」が難しい
投資は買うより売る方が重要です。
スキーム重視の物件は、 中古市場で評価されにくい傾向があります。
センチュリー21イーハルの正直な見解
スキームワンルーム自体が悪いわけではありませんが、
「仕組みありき」で物件を選ぶのは危険です。
判断基準はシンプルです
- 家賃 − 経費 − ローン = プラスか?
- 売却価格は現実的か?
- 空室でも耐えられるか?
こんな営業トークには注意
- 「ほぼ自己負担なし」
- 「節税で実質黒字」
- 「絶対に損しない」
これらはすべて、 前提条件が崩れると成立しません。
まとめ|スキームより「本質」で判断
スキームワンルームは、
- 仕組みで魅力を作る投資
- 理解すれば使えるが難易度が高い
- 知らずに買うとリスク大
大切なのは、「物件そのものが稼ぐ力を持っているか」 です。
※本記事は2026年時点の一般的な情報および一例をもとに作成したものであり、あくまで参考情報としてご覧ください。特定の投資手法や物件の購入を推奨するものではありません。
※不動産投資における収益性・税務効果・リスクは、物件条件・融資条件・金利・税制・お客様の属性(年収・保有資産・保有期間など)により大きく異なります。
※減価償却・損益通算・住宅関連税制などの制度は今後変更される可能性があります。適用可否や詳細については、税理士・金融機関・不動産会社等の専門家へご確認ください。
※サブリース契約や融資条件には個別の制約・リスクが存在します。契約内容は必ず事前にご確認ください。
※本記事の内容に基づく判断・投資行動によって生じた損害等については、当社では責任を負いかねますのでご了承ください。
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