相続した土地にアパートを建てると相続税は安くなる?
「親から土地を相続したけれど、どうすればいいかわからない…」。
そんなお悩みを抱えている方は、栃木県小山市や下野市・結城市などでもとても多くいらっしゃいます。
実は、相続した土地を何もせずそのままにしておくよりも、アパートなどを建てて活用したほうが相続税の面で有利になるケースがあります。
この記事では、「なぜアパートを建てると相続税が安くなるのか?」「実際にどのくらい変わるのか?」を、できるだけ専門用語をかみくだきながら、数字を使ってわかりやすく解説していきます。
センチュリー21イーハルは、栃木県小山市・下野市・結城市エリアで、相続した土地や空き地の活用・売却・賃貸経営のご相談をお受けしている不動産会社です。
「相続税だけでなく、その後の家族の暮らしも含めて一緒に考えてほしい」というお気持ちに寄り添い、専門用語をできるだけ使わずに、ご家族みなさまが納得できる選択のお手伝いをしています。
相続税は「評価額」で決まるしくみをおさらい
まずは、相続税がどのように計算されるのか、基本の考え方から整理しておきましょう。
相続税は、相続した財産の合計額(=評価額)をもとに計算されます。
この評価額には、次のようなものが含まれます。
- 土地や建物などの不動産
- 現金・預貯金
- 株式や投資信託などの有価証券
- 解約返戻金のある生命保険(みなし相続財産) など
この「評価額が高いほど相続税も増える」というのが相続税の基本ルールです。 逆にいえば、評価額を下げることができれば、その分だけ相続税の負担を軽くすることができます。
相続税は「財産の評価額」に税率をかけて計算します。
評価額が下がれば、その分だけ相続税も少なくなる──ここが、土地活用による節税の出発点です。
更地のまま相続した場合の相続税を具体的に計算してみる
まずは、何も建っていない更地のまま相続した場合を見てみましょう。具体的な数字で計算するとイメージしやすくなります。
例①:土地5,000万円+現金1,000万円を相続した場合
次のようなケースを考えてみます。
- 相続する土地の評価額:5,000万円(更地)
- 相続する現金:1,000万円
- 相続人:配偶者1人+子ども1人(合計2人)
このときの相続税は、次のステップで計算します。
| ステップ | 内容 | 金額 |
|---|---|---|
| ① 財産の合計 | 土地5,000万円+現金1,000万円 | 合計 6,000万円 |
| ② 基礎控除の計算 | 3,000万円+600万円×法定相続人2人 | 4,200万円 |
| ③ 課税価格 | 6,000万円−4,200万円 | 1,800万円 |
| ④ 相続税の計算 | 1,800万円×15%−50万円 | 220万円 |
国税庁の速算表によると、課税価格が「1,000万円超〜3,000万円以下」の場合、相続税の税率は15%、控除額は50万円です。
したがって、
1,800万円 × 15% = 270万円
270万円 − 50万円 = 220万円
このケースでは、更地のまま相続すると約220万円の相続税がかかる、ということになります。
相続税には、全国共通の「基礎控除」という非課税枠があります。
計算式は次の通りです。
基礎控除額 = 3,000万円 + 600万円 × 法定相続人の数
たとえば…
- 相続人が1人のとき → 3,600万円
- 相続人が2人のとき → 4,200万円
- 相続人が3人のとき → 4,800万円
- 相続人が4人のとき → 5,400万円
今回の例では相続人が2人なので、基礎控除は4,200万円。
この金額を超えた部分(=1,800万円)に対して、相続税がかかる仕組みです。
アパートを建てると土地の評価額が下がるしくみ
では、同じ5,000万円の土地にアパートを建てて人に貸していた場合はどうなるでしょうか。
実は、アパートを建てて賃貸に出している土地は、税金の世界では「貸家建付地(かしやたてつけち)」と呼ばれ、「自分の自由に使えない土地」=価値が少し低い土地と評価されます。
更地と貸家建付地のイメージの違い
- 更地:いつでも自由に売ったり建て替えたりできる → 評価額100%
- 貸家建付地:入居者が住んでいる → 自由に使えない → 評価額は約80%前後に下がる
「他人に貸している」ことで、オーナーが自由に使えない状態になっているため、
その分だけ価値が低い=評価を下げて計算してあげましょうという考え方です。
貸家建付地の評価式をやさしく分解
貸家建付地の評価は、次の式で計算します。
土地評価額 = 自用地評価額 × (1 − 借地権割合 × 借家権割合 × 賃貸割合)
それぞれの用語を簡単に整理すると…
- 借地権割合(しゃくちけんわりあい)
その地域で「借地人がどれくらいの権利を持っているか」を示す割合。国が路線価ごとに決めており、60〜80%程度が多いです。 - 借家権割合(しゃっかけんわりあい)
借家人(アパートの入居者)が持っている権利の割合。これは全国一律で30%に決まっています。 - 賃貸割合
土地全体のうち、どのくらいの面積を賃貸に使っているかを示す割合。アパート全体を貸していれば100%(=1.0)です。
例②:同じ土地にアパートを建てて賃貸にした場合
例①と同じ5,000万円の土地にアパートを建てて、すべて賃貸に出しているケースを考えてみます。
借地権割合70%・借家権割合30%・賃貸割合100%とすると、土地評価額は次のように計算されます。
土地評価額 = 5,000万円 × (1 − 0.7 × 0.3 × 1)
= 5,000万円 × (1 − 0.21)
= 5,000万円 × 0.79
= 3,950万円
同じ5,000万円の土地でも、アパートを建てて貸していることで、評価額が約21%下がり、79%分(3,950万円)のみが相続税の対象になる、というイメージです。
更地のままだと評価額100%で相続税がかかりますが、アパートを建てて貸家建付地になると、評価額が79%まで下がります。
この「評価額の差」が、そのまま相続税の節税につながります。
建物の評価と借入金の控除もあわせて考える
アパートを建てた場合は、土地だけでなく建物の評価も必要です。 建物部分は、原則として固定資産税評価額をもとに計算されます。
建物の評価額のイメージ
たとえば、アパートの建築費が3,000万円だったとします。
- 固定資産税評価額は、建築費のおよそ60%程度 → 3,000万円 × 0.6 = 1,800万円
- これが貸家(賃貸用)であることを考慮して、さらに70%評価 → 1,800万円 × 0.7 = 1,260万円
結果として、このアパートの建物評価額は1,260万円となります。
土地+建物+現金、そして借入金を差し引いた合計評価額
ここまでの数字をまとめてみます。
- 貸家建付地となった土地:3,950万円
- アパートの建物:1,260万円
- 現金:1,000万円
合計評価額は、3,950万円+1,260万円+1,000万円=6,210万円です。
ここで、アパート建築のために被相続人が生前に3,000万円のローンを組んでいたとすると、その借金分は相続財産から負債として差し引くことができます。
6,210万円 − 3,000万円 = 3,210万円
相続人が2人の場合の基礎控除は4,200万円なので、このケースでは相続税の対象となる金額が基礎控除の範囲内に収まり、相続税はゼロになる可能性が高い、ということになります。
相続税の計算でマイナスできるのは、次のような借入金です。
- 名義が亡くなった方(被相続人)になっていること
- 実際に被相続人が返済していた借金であること
- 相続開始時点で残高が残っていること
逆に言えば、相続が発生したあとに相続人自身が新しく組んだローンは、被相続人の負債ではないため、相続税の計算上の「負債控除」には使えません。
更地のまま vs アパートを建てた場合の相続税を比較
ここまでの話をまとめて、更地のままとアパートを建てた場合で、相続税がどのくらい違ってくるかを整理してみます。
更地のまま相続した場合
- 土地:5,000万円
- 現金:1,000万円
- 合計:6,000万円
- 基礎控除:4,200万円
- 課税価格:1,800万円
- 相続税:220万円(15%−控除50万円)
アパートを建てて賃貸に出した場合
- 土地(貸家建付地):3,950万円
- 建物:1,260万円
- 現金:1,000万円
- 小計:6,210万円
- アパート建築ローン残高:3,000万円(被相続人名義)
- 差引後:3,210万円
- 基礎控除:4,200万円 → 範囲内に収まるため相続税は0円の可能性
このように、同じ5,000万円の土地であっても、「更地のままか」「アパートを建てて貸家にしているか」によって、相続税が数百万円単位で変わることがあります。
「節税になるケース」と「ならないケース」の違い
ここまで読むと「それなら、相続対策のためにすぐアパートを建てたほうが得なのでは?」と思われるかもしれませんが、実際には節税にならないケースもあります。
節税効果が出やすいケース
- もともとの土地評価額が高く、基礎控除を大きく超えてしまうケース
- 被相続人が生前にアパート建築の借入を行い、死亡時に残高がある程度残っているケース
- 相続人の数が少なく、基礎控除額が小さくなってしまうケース
あまり節税にならない・必要ないケース
- もともと相続財産全体が基礎控除の範囲内に収まっているケース
- 相続人が多く、基礎控除額が大きいケース
- 借入をしてまでアパートを建てるほどの節税メリットが見込めないケース
「相続税がかかるのか、かからないのか」「アパートを建てることで本当にどれくらい変わるのか」は、ご家族それぞれの状況によって大きく違います。
まずは、おおよその相続財産の金額と、法定相続人の人数を整理してみることが大切です。
アパート経営は“節税だけ”を目的にすると危険
アパートを建てると、相続税対策としてはたしかに強力な選択肢になりますが、「節税になるから」という理由だけで進めるのはおすすめできません。
注意しておきたいリスク
- 建築費が高額になり、借金の負担が重くなるリスク
- 空室が続き、家賃収入だけではローン返済が苦しくなるリスク
- 将来の大規模修繕費用が必要になるリスク
- 相続人同士で「誰が管理するか」「借金をどうするか」でトラブルになるリスク
特に地方エリアでは、長期的に安定した入居が見込める場所なのかを慎重に見極める必要があります。
「とりあえず建てれば大丈夫」というものではない、という点はしっかり押さえておきたいところです。
- すでに高齢で、長期のローン返済が負担になりそうな場合
- ご家族の中にアパート経営に消極的な方がいる場合
- 将来、その土地を売却して現金化する可能性が高い場合
「相続税が減る」というメリットだけでなく、ご家族のライフプランや資金計画と合わせて総合的に判断することが大切です。
小山市・下野市・結城市エリアでよくあるご相談例
栃木県小山市や下野市・結城市周辺では、次のようなご相談をいただくことが多くあります。
- 駅から少し離れた場所に、そこそこの広さの土地を相続した
- 実家の庭や畑を活用してアパートや戸建賃貸を建てられないか知りたい
- 将来的には売却も視野に入れつつ、当面は賃貸収入を得たい
- 相続税がどのくらいになるのか、まずは概算を知りたい
同じ「相続した土地」でも、立地・接道・周辺環境・需要などによって最適な活用方法は変わってきます。
アパート経営が向いている土地もあれば、駐車場や戸建賃貸、思い切って売却したほうが良い土地もあります。
よくあるご質問(Q&A)
はい、あります。たとえば「相続税がもともと基礎控除内で済みそうな場合」や、「近い将来に売却して現金化する予定がはっきりしている場合」は、無理にアパートを建てる必要はありません。
アパートを建てると、長期的な管理・修繕・空室のリスクも背負うことになります。節税効果だけでなく、ご家族のライフプランや将来の予定も踏まえて検討することが大切です。
相続後に相続人が自分の名義でローンを組んで建てたアパートは、そのローンを相続税の負債控除に使うことはできません。
ただし、アパートを建てて賃貸に出せば、その時点から土地は「貸家建付地」として評価されるようになり、固定資産税や、将来の相続の場面では評価額が下がる効果があります。
一般的な月極駐車場の場合は、「貸家建付地」のような大きな評価減はありません。ただし、その土地の利用状況や契約内容によって評価方法が変わることもあります。
駐車場経営は、アパートより初期投資が少なくすむケースもありますが、相続税対策という意味ではアパートと同じ効果が出るわけではない点に注意が必要です。
まとめ|相続した土地は「そのままにせず」、まずは状況の整理から
相続した土地をそのまま更地で持ち続けると、評価額が高いままになり、相続税の負担が重くなることがあります。
一方で、アパートを建てて賃貸に出すと、貸家建付地として土地の評価額が下がり、さらに生前の借入金があれば負債控除もできるため、相続税が大きく減る、もしくはゼロになるケースもあります。
ただし、アパート経営には空室リスクや修繕費、家族間の意見の違いなど、税金以外のポイントもたくさんあります。
節税効果だけにとらわれず、「ご家族にとって無理のない土地活用かどうか」を一緒に考えていくことが大切です。
栃木県小山市・下野市・結城市エリアで、相続した土地の活用方法にお悩みの方へ。センチュリー21イーハルでは、
- 相続した土地をこのまま持ち続けるべきか
- アパートや戸建賃貸などの活用が向いているか
- 売却・賃貸・駐車場など、どの選択肢がご家族に合っているか
といった疑問を、お客さまのお気持ちに寄り添いながら、一つひとつ一緒に整理していきます。
「とりあえず話だけ聞いてみたい」「うちの場合の相続税がどのくらいになりそうか知りたい」といった段階でも構いません。どうぞお気軽にご相談ください。
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